ISO

 

 現在、マネジメントシステム規格といわれているISO 9001(品質マネジメントシステムの国際規格)やISO 14001(環境マネジメントシステムの国際規格)などの認証取得活動が、各企業で盛んに行われています。ISO 9001の導入が始まったころは、欧州との取引をしていた電気・電子業界での認証取得が活発に取り組んでいました。その後、建設業界やサービス業(ホテル、学校、病院、スーパーマーケット、外食産業など)でもISO 9001の認証取得が進みました。

【ISOとは?】

 ISOはアイエスオー、イソあるいはアイソなど発音されますが、「International Organization for Standardization」の略称で、日本語では「国際標準化機構」と訳されます。英文の頭文字をとって略称とすると「IOS」となっていますが、ギリシャ語の「相等しい」という意味を持つ“ISOS”に由来するといわれています。つまり、それぞれ国ごとに制定していた規格を、世界中で「相等しい」ものにし、スムーズな取引を行えるようにして、国際的な交流を活発化させようといった意味が込められているようです。 身近なところでは、写真フィルムのパッケージに「ISO 100」や「ISO 400」というように表示されているフィルムの感度や、緑色の誘導灯、通称「イソネジ」と呼ばれるネジの形や大きさなどもISOが発行する規格に基づいています。

【ISO9001とは?】

 ISO 9001は、企業(組織)が品質に関する取り組みのためのしくみを作り、そのしくみを実行して、維持・改善していくために必要な活動を、要求事項として表した品質マネジメントシステムの規格です。ISO 9001の考え方の基本となるのが、品質に対する考え方を方針として示して、その方針を達成するために、計画(Plan)を立てて、運用(Do)し、計画通りに進んでいるかを確認(Check)して、次の活動に展開(Act)していくという一連のサイクルです。また、ISO 9001では、顧客満足の向上を目的としていますので、認証取得することがゴールではなく、品質マネジメントシステムを維持管理し、継続的に改善していくことを通じて、顧客の信頼を向上させていきます。
また、ISO 9001で認証されることにより、国際的に認められることになります。

【ISO 13485とは?】

 医療機器は人命及び健康維持につながるため、ISO 9001の要求事項だけでは不十分であり、品質管理及び品質保証にかかわる追加要求事項が必要であるとの国際的な判断がなされ、安全で安心できる品質の良い医療機器を提供するために、セクター規格として、ISO 13485という規格が制定されました。ISO 13485は、世界各国で医療機器に関する規制目的で作成された品質マネジメントシステム規格であり、ISO 9001と独立した規格です。ISO 13485では、各国の医療機器に関する法規制と関連しており、日本の薬事法においても、ISO 13485の要求事項が多く盛り込まれています。
GMPでは、工程管理に関する要求を満たすことが求められていますが、ISO 13485では、GMPを満たすことはもちろんのこと、GVP、GQP、マネジメントに関する要求も満たすことになります。

【ISO9001、ISO13485導入の意義】

 名古屋大学医学部附属病院遺伝子・再生医療センターでは、マネジメントシステム規格としてのISO9001及びISO13485の取得に精力的に取り組み、平成18年度初頭にISO9001及びISO13485のダブル取得を完了しました。その導入効果は顧客の信頼性向上のみに留まらず、意欲的にISO9001を活用することにより、以下のような事項を推進し、効果を上げていくことができます。

  1. センター長が必要な情報を収集し、チェックできる仕組みの確立
    ISO9001は、マネジメントツールであり、その特徴は、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルに基づく改善のアプローチです。ISO9001を活用することで、必要な情報を現場から入手し、チェックする仕組みが確立されます。
  2. 品質意識の向上に伴うセンター全体のレベルアップ
    ISO9001は、トップダウンの仕組みではあるが、全員が一丸となって取り組まないとうまく機能しません。全員がセンターの仕組みを理解することで、個々の品質意識を向上させ、センター全体のレベルアップを狙っています。
  3. リスクマネジメントによる品質リスクの回避
    センター内の様々な問題点を洗い出し、分析することで、再発防止から未然防止へ展開することができます。これによってリスクマネジメントが適切に機能することにより、リスクに強いセンターになっていきます。